自分ではない誰か
自分には、信じている政治家が一人います。
その人に、自分の考えや思いを相手に伝える術はどうやって身に付けたのですか?と質問した事があります。
「伝えた事が伝わったと思うとそれは錯覚で、伝えた事しか伝わっていないんですね。なので、話す時は極限まで相手の思考回路、相手の知識の量、相手の考えるステップの踏み方、これを徹底して想像して相手の立場に立って、相手の思考回路を想像して、伝える・聞く・話す、これだけは徹底しているような気がします。」
と答えてくれました。
その時は実はすぐにその意味が腑に落ちた訳では無かったのです。
でも、役者や芝居に置き換えてみた時に、その言葉の意味がしっくりきました。
「伝えた事が伝わったと思ったら思ったらそれは錯覚で、」は「台詞を発したら相手やお客さんに届くと思ったらそれは錯覚で、」という意味で。
なぜその人物が相手にその台詞を言うのか、状況、立場、知識の量、その台詞を言う理由や、その裏側にある思考回路や想いを想像し台詞を発しなければ、「伝えた事しか伝わっていない」つまり「台詞の字面の情報しか分からない」という意味だったのではないかと。
それが何なのか探り、想像し、自分以外の人物になって、また同じ様に自分とは違う人物となっている共演者の方々と作っていくのが、例えば、舞台なんだろうなと。
今週末は最後の稽古期間。SPIRALMOON 恒例の通しのトライアスロン。
体力勝負な所もありますが、役や相手、話の筋にも思考を巡らせて頑張りたいと思います。
城戸啓佑
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SPIRAL MOON the 48th session 『キネカメモリア』
【作】横田雄紀 【演出】秋葉舞滝子
潰れかけた映画館で繰り広げられる、諦めた大人の諦められない夢の欠片の物語。
開演ブザーとともに、今、始まります。
【出演】最上桂子、河嶋政規、佐藤希洋(劇団ひまわり)、菅野奈都美、あい、出口綾夏、こんのかつゆき(劇団コピュラ)、城戸啓佑、秋葉舞滝子
【日時】2024年6月19(水)~23日(日) 上演時間は約90分、途中休憩なし。
【場所】下北沢「劇」小劇場
【料金】日時指定 自由席 前売・当日:4,000円
【ご予約】
SPIRAL MOON https://spiralmoon.jp/session-48
☆CoRichチケット https://ticket.corich.jp/apply/316694/