熱と敬意と言葉

漸く暖かくなってきて、何なら夏の様な暑さ、匂いを感じる季節になってきましたね。
『三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実』というドキュメンタリー映画を観ました。
戦後の日本の政治、社会が生み出した欺瞞、圧力、風潮に抗った人達が当時の日本には、いて。
その象徴の1つと言える東大全共闘の学生達が、日本を代表する作家であり立場が真逆の三島由紀夫を、東大駒場キャンパスに招き討論会を開催した時の様子を、当時の映像と現在も存命の当事者達のインタビューを交えながら振り返る映画です。
学生達の暴力による革命も辞さないという空気が充満する場所に、乗り込んで行った三島由紀夫。彼らが、その時にお互いに何を語ったのか。
難しい言葉も飛び交うので学がない自分には、1/3、いや半分位?分からない言葉もありましたが、目が離せないまま最後まで観ました。
彼らは立場は真逆でも、共通の敵、共通の想いがあり、相手に対する敬意と言葉によってのみ、相容れる部分があったのかなと感じましたし、何より本当に面白かった。
同時に思うのです。戦争を戦った人達や、ここに出てくる三島由紀夫、学生達が今の日本を見たらどう感じるのか。

言葉はどこまでも完璧に人間を繋げられるものではないかもしれない。
でもその事を放棄してしまっては、人が人でなくなる事へ進むだけ、そういう社会を増長するだけなのではと。

この映画に出てくる人達に比べたら拙い、幼いにも程があるかもしれないし、上手くいかない時の方が圧倒的に多いのですが、自分も誰かと話をする、言葉を交わし紡いでいく事に可能性を見出だしたいと思いました。
今回の舞台の話だけに限った事ではなく。

城戸啓佑

☆公演情報はこちら☆
SPIRAL MOON the 50th session『徒然なるままに…』
【作】芳賀隆幸 【演出】秋葉舞滝子
何をやらせてもぱっとしない落ちこぼれの兵隊たちが集められ、与えられた任務は死地に赴く特攻兵が心残りなく飛び立って行けるよう芝居をうつ「送り屋」だった。怖気づき、尻込みして泣き叫ぶ特攻兵を笑い話にして憂さを晴らす送り屋たち。ところがその中からたった一人だけ、特攻隊員となるよう指令が下る。その時、彼らは…。
【出演】
◆月組:船戸慎士(Studio Life)、村上貴弘(Creative Company Colors)、城戸啓佑、戸谷和恵(GENKI Produce)、秋葉舞滝子、牧野達哉、塩見陽子、豊田真弓、林新太(株式会社エッグスター)
◆星組:高尾直裕、加藤卓海(劇団ひまわり)、池田大輔(★☆北区AKTSTAGE)、モハメディ亜沙南、深夢、河嶋政規、菅野奈都美、最上桂子、林新太(株式会社エッグスター)
【日時】2025年6月18日(水)~22日(日) 上演時間は約90分、途中休憩なし。
【場所】下北沢「劇」小劇場
【料金】日時指定 前売・当日:4,500円(当日受付は現金のみ)
【ご予約】SPIRAL MOON https://spiralmoon.jp/session-50
☆CoRichチケット https://ticket.corich.jp/apply/369368/

同じカテゴリの記事

最新記事