こんなことを話しちゃうのもどうかと思うのですが、物心ついた頃から家族関係で傷ついてきました。精神的な意味で、朝を迎えるのに必死でした。

そういうのって人格形成に確実に影響しちゃうんですよね。
だから私がこの歳まで生きてこられたのはひとえに芝居と出会ったからです。

不思議なもので、作家の皆さんにそんな話をするわけでもないのに、SPIRAL MOONで上演する作品は家族の物語が多いです。
もしかしたら、いいえきっと、芝居の神様が私に家族という形を生き直させてくれているのでしょう。

『小刻みに戸惑う神様』も家族の物語です。
演出しながら、演じながら、たくさんの“もしも”を考えます。
たくさんたくさん考えて、いわゆる理想の家族像ではなく、独特の距離感を持ちながら心の繋がった形を選択している気がします。
私はそういう形に憧れているのだと思います。

これはもうずいぶん前にブリュッセルの本屋さんで立ち読みし号泣した絵本です。フランス語版とオランダ語版しかなくて、ちゃんと読めないのに想像して絵本コーナーでボタボタと涙を流す謎の東洋人。
迷った挙句フランス語版を買って帰ったのですが、しばらくしたら日本でも翻訳版が出たので再度購入しました。
想像していた通りの物語で、また泣きました。

これもひとつの家族の形ではないかと。

来週の今日は『小刻みに戸惑う神様』の初日です。
是非、観にいらして下さい!!

◇◆秋葉舞滝子◆◇