美術担当なので、そのことについても触れてみます。

いつの間にやら終わってしまい、もう一週間近く過ぎてしまいました。
毎度のことですが、本番の一週間くらい前〜千穐楽までが驚くほど早いです。「あ」っと言う間です。
…「あ」っと言う間…といえば…
道具制作も担当しました。
今回も、誠心誠意作らせていただきました。
ドアと窓です。
御覧いただいた方はご存知かと思いますが……
通り過ぎるように居なくなります…大道具が…瞬殺です…いや、それは言い過ぎですね。5分くらいは舞台上に居ます。
照明の島田さんの灯りのおかげで、重厚なドア、美しい窓に仕上げていただいてます。手前味噌ですが、凄くカッコイイです…「あ」っと言う間に居なくなりますが…。
見に来たお客様に、「その贅沢がいいんですよ。」と言っていただきました。本望です。

これまた御覧いただいた方はご存知かと思いますが…
床が凄いことになってます。
残念ながら床を作ったのは私ではありませんが…。
遡ること9年前、「デッサン」の時に役者陣が制作した「無数の枯れ葉」です。
…僕はこの時、舞台セットを作っていたので、枯れ葉の制作には全く関わっていません…関わっていない僕がこんなことを軽々しく言うのもなんですが…「血と汗と涙が詰まった枯れ葉」です。9年ぶりに再度お目見えです。とても美しいです。圧巻です。
この美しいアイテムを9年ぶりとは勿体ない、もっと頻繁に出そうよ…と言っておきました。数年後にはまたお目見えすることでしょう…いや、「それが贅沢ってものです。」とか、どこかの貴族の様なことを言っていたので、今回がラストチャンスだったかもしれません。

そして、恒例の不思議スペースは(舞台下手にある謎の舞台ではないスペースです。私達は不思議スペースと呼んでいます。)秋葉さんのこだわりです。僕は手も口も出せません。
これまた恒例のレンガです。
80枚ほど、1枚1枚手作りで、1枚1枚心を込めて貼ってます。とても美しいスペースとなっています。
お芝居には全く絡みませんので、開演前、終演後にじっくり見て欲しいものです。

こうして振り返ってみると、僕の制作したものは一瞬しか現れないので、ちょっとだけ…ほんのちょっとだけ、「何か悲しい気分」でしたが、舞台には美しいものがいっぱいありました。満足です。

ご来場いただいたお客様、ありがとうございました。

星 達也