物語の宿る場所。

SPIRAL MOON玉手箱上映会は無事に終了いたしました。
外出をためらうような(非常事態宣言は解除されましたが)自粛ムードが続く今、ご来場下さいました皆様、本当にありがとうございました。

そしてとてつもなく昔のものから最近の作品まで、このような形で上映することを快くお許し下さった作家の皆様、物語が生きる場所を与えて下さった「劇」小劇場の皆様に深く感謝いたします。

もうひとつ、今回の上映会が開催できたのはVR体験にご協力下さったエ・ネスト丸本育寿様、20年前の映像を地獄のコマ送りレベルで編集して下さった株式会社ユニコーン様の多大なるご協力が無ければ果たせなかったことです。困ったことが起きたとき、韃靼人の矢よりも早く駆けつけて下さったユニコーン齋藤様に、ここに改めて御礼申し上げます。

今回の玉手箱上映会(過去作品の映像上映)はコロナに関係して演劇界を揺さぶったいろいろがなければ思いつかないことでした。
確かにSPIRAL MOONでは上演作品の映像を残し販売もしていますが、それは芝居をご覧になった方が、おうちでひっそりと思い返すための秘密のアイテムと位置づけて、上映会だなんて大々的なことに使うなんて夢にも思っていなかったのです。
それは私自身が、過去の上映作品を見返すことが殆どないからというのもあったかもしれません。再演する際も、過去の映像はよほどの理由がなければ確認しません。だって、それとこれ(再演とはいえこれから作ろうとしている作品)は別物だから。

SPIRAL MOONは旗揚げ公演から22年、どんな困難にも逆境にも負けず、一度も諦めずに舞台で芝居を上演してきました。舞台にこだわり続けてきました。
物語の宿る場所で生きていたい、そしてその物語を、物語の時間と空間をお客様に届けたい、その一心で歯を食いしばってきたのです。

これは「劇」小劇場の前にある、お馴染み本多グループ上演ポスター掲示板、中央のポスター部分の周りが日に焼け色褪せて白っぽくなっています。これは長く続く本多グループの歴史です。
これまで緑の部分を気にしたことがありませんでした。
いつもいつも、ここには面白そうな芝居のポスターが貼ってあって、それを見るのに夢中だったから緑色なんて気にしたことがなかった…。

もう2度と、こんな鮮やかな緑を見たくありません。

今回の感染症は終わりがわかりません。薄く長く、しばらく続くのかもしれません。
だからこそその状況下で私達はどうやって芝居を続けていくかを考えています。
SPIRAL MOONだけでなく、あらゆる劇場が、劇団やユニットがそして演劇だけでなく映画も音楽もダンスもスポーツも、知恵を絞って立ち向かおうとしています。必要不可欠な場所であり続けるために。

人が集まるところが危険な場所にならないよう、万全の注意を払っておりますので、どうか恐れずに劇場にお越し下さい!
身を守るのは単純なようですが手洗い、うがい、そして(私は苦手だけど)マスク! 
あ、あとちゃんと食べてちゃんと寝る。ストレスを溜めない!
(^_^)

この企画の最初のご挨拶にも書きましたが、劇場は【物語】の住処です。

劇場に【物語】を!
劇場で【物語】を!!

次は、劇場の舞台でお目にかかれますよう。