ワンシチュエーション…場面転換や暗転からの時間経過などなく、リアルタイムで進むお芝居。
最近、そういったお芝居を見てないです…ま、たまたまかもしれませんが…。演るのも久しぶりです。
見るのは好きです。舞台上も客席も、同じ時間が過ぎていて、ドキドキできます。
演るのも好きです。…いや…でした。…いや…今でも好きです。でも、客席とは違うドキドキが止まりません。場面が変わったり、暗転したりして、リセットする瞬間がないからですかね。ふとした瞬間にボタンをかけ違うと、違って進んでしまいそうで…。でも、このピンチを無理矢理にでも脱出する…お客様にわからぬように…。これもまた、醍醐味です。

昔、ある公演のちょっとした喧嘩のシーンで、僕が相手の胸ぐらを掴んで詰め寄ったのですが…。
胸ぐらを掴んで、彼の顔を睨み付けると……

鼻毛が1本揺れてました…

喧嘩のシーンですから、鼻息も荒く、鼻息に合わせてピロピロ~

あれはヤバかった!
僕は瞬間、顔を伏せ、肩が震えるのは怒りのせいと言い聞かせ、顔の形が変わらないよう、全神経を顔に集中させて、必死に何かと戦いました。
そして、その場はやり過ごしても、可笑しな興奮は覚めやらず、その後数分間戦い続け、何とか持ち直したのでした。きっとお客様にはバレてないはず…?

あれもワンシュチュエーション…本番が楽しみです。

…いや、ボタンをかけ違わなければいいんですけどね…。


星達也