何かを知ってしまったら、もう前とは同じ気持ちでいられないことってあると思うんです。
私にとってそれは金木犀です。

台風の季節が過ぎて空が高くなって空気を軽く感じる、そんな秋の短い間に、いつの間にか忍び込んでくるような不思議な香りが、それまでだって嫌いではありませんでした。
でも内田善美さんという天才漫画家の『星の時計のLiddell』という作品に触れて以来、金木犀は特別な香りになったのです。

それは現実の、私のそばにある金木犀の【香り】を通して『星の時計のLiddell』という物語が毎年繰り返し私のものになる、とでもいう感じでしょうか。 物語は自分のものになるんだなと知った経験でした。

前回の更新から三か月半。嵐の小舟のように激動の夏で、一つの目的のために夢中で動いていたら気が付いたら秋でした。
コロナが終息しているわけではありませんが、だからこそ、感染防止対策を万全に講じて劇場での公演に踏み切ります。
今日から稽古開始、詳細は確定事項からどんどんお知らせ致します。

劇場に【物語】を!
劇場で【物語】を!!

これは6月の玉手箱上映会の、最後に更新したまわた日記に書いた言葉です。
今度こそ、劇場でお目にかかりましょう!!


◇◆秋葉舞滝子◆◇