厩火事

今回の話は映画館の話で、他の方々も書いている様に、稽古の時もそれ以外の時も、各々のオススメの映画の話がよく出ます。映画以外にもドラマや漫画や、音楽、バンドの話も。

実はこういう話の中から、今回のストーリーや役についてのヒントが出てきたりするのです。

自分は普段殆どドラマを見ない人間ですが、2005年に見た時にド嵌まりして、それ以来未だに繰り返し見ているドラマがあります。

『タイガー&ドラゴン』
脚本は宮藤官九郎。
舞台は浅草。

主人公のヤクザが、とある事情から噺家に弟子入りする事になる。師匠から落語を学び、お客さんの前で演じる噺が、主人公がお世話になる師匠の家族や兄弟子達、寄席を観に来るお客さんといった、関わる人達との出来事とリンクして展開されます。

古典の落語を大事にしながら、現代に置き換えるとこういう噺、として見れるので、分かりやすく何より面白い。そして、元々の古典の落語だとどういう噺なんだろうかと興味を持てる作りにもなってると感じます。

このドラマでは恐らく有名な噺をピックアップしてると思いますが、どの回も捨てがたい。「饅頭怖い」、「品川心中」、「子は鎹」等全部上げたいですが、第5話「厩火事」を唇を噛み締めて推します。

落語って、中には暗く重いシーン含まれてるものもあるけど、基本的には人を楽しませるもの。でも江戸時代当時に限った話というより、きっと人間そのものを描いてるから、ゲラゲラ笑う面白さと、現代の人間にも通ずる不変的な奥深さがあるのかなと、ニワカな自分は思います。

稽古は、ここに来て各々登場人物の人となりや繋がりがどんどん見えてくる様になりました。勿論、観る人の好みがあると思いますが、不変的な面白さ、を皆で目指して本番に挑みたいです。

写真は、今回SPIRAL MOON初出演ながら与えられた役としてメキメキと頭角を表し、プロンプ(役者が台詞出てこない時にそっと入れてくれる行為)もやって助けてくれる出口綾夏ちゃん(左)と、演出に集中し過ぎて時折自分の出番を忘れそうになる秋葉舞滝子さん(右)です。

城戸啓佑

☆公演情報はこちら☆

SPIRAL MOON the 48th session 『キネカメモリア』
【作】横田雄紀 【演出】秋葉舞滝子
潰れかけた映画館で繰り広げられる、諦めた大人の諦められない夢の欠片の物語。
開演ブザーとともに、今、始まります。
【出演】最上桂子、河嶋政規、佐藤希洋(劇団ひまわり)、菅野奈都美、あい、出口綾夏、こんのかつゆき(劇団コピュラ)、城戸啓佑、秋葉舞滝子
【日時】2024年6月19(水)~23日(日) 上演時間は約90分、途中休憩なし。
【場所】下北沢「劇」小劇場
【料金】日時指定 自由席 前売・当日:4,000円
【ご予約】
SPIRAL MOON https://spiralmoon.jp/session-48
☆CoRichチケット https://ticket.corich.jp/apply/316694/

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