こんばんは、星達也です。

過去に一度だけ…
「結婚する?」
って告白したことがあります。ご飯を食べている彼女に…洗濯物を干しながら…さり気な〜く何気な〜く… サラリと…。言った直後の瞬間はバクバクでした。狙っていた訳ではなく、ふっと思いついて言ったので、心の準備もへったくれもありません。「わー!言った!でも、自然だ!」って思ってました。そして彼女はご飯を食べる手を止めることなく答えます。
「んー今はいい」
付き合い始めから、彼女に「いつ結婚するの?」と言われていた僕は、当然了承の返事が返ってくることを想定しています。パニックです。計算違いも甚だしい。「は?」「え?」「なんで?」喉元まで出かかりますが、グッと堪えます。あからさまに動揺していることを悟られたくありません。自然に出てきたのに…。そして、何より 僕が結婚したい みたいじゃないか。そうです、僕は結婚願望が特にありません。彼女に言われた時も、「必要?」とか「何か変わるの?」とか答えてた気がします。そんな僕が結婚を切り出して、断られて動揺…ありえません。
彼女はご飯を食べ続けてます。
しかし何か返さねば…このままの沈黙は敗北を意味しているように思えます。早く何か言わなければ、沈黙認定されてしまう…しかし何と言えばいいのか…頭が物凄い勢いで回転しながら、口が開きます。
「あ、そう」
ヘタレか!こんな陳腐な言葉しか出てこないとは…。でも、でも、自然な返答に聞こえたはずです。ちょっとタップリめでしたが…間も悪くはなかった。言葉を聞いてワンクッションぐらいですんだはずです。洗濯物を干す手が止まって、ガン見…なんてチープな芝居はしてません。僕も役者の端くれですから。
彼女はこちらの様子を伺うことなくまだ食べています。
「もう二度と言うまい」と心に誓うのでした。
そんな僕は「告白」に出ます。

写真は、町で見かけた謎の洗濯物

>『物語のあるところ』

『物語のあるところ』

2020年11月10日(火)〜15日(日)下北沢「劇」小劇場